「ゆいさんっ、遅かったっすねー」


「あぁ、ごめん」


「次は歌聞いて下さいよっ」


「それより龍、」







タバコを吸い、白い息を吐く。







「酒」







苛々が止まらない。

空気を壊したくないのに。



どうしても過去の出来事が映像化されていく。







「ゆいさん?」


「早く、なんでもいいから」


「ゆい、どうしたん?」


「なんもない」








楽しいカラオケやのに、皆ごめん。



わかってる、わかってんねん。

自分がおかしいってのは。








「我が儘やけど、大丈夫やから」


「う、うん」









作り笑顔なんて、ダサい真似。










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