「ゆい、こっちに来い」







台に乗ったままの英寿くんに見下ろされ、手招きされる。

周りは騒がしさは、彼の声で一瞬で静寂と化して。




でも私は動かない。

いや、動けない。









「聞こえへんのか、ゆい」


「…や、だ」


「チッ、雄大」


「あいよ」


「ちょっ…!!!離して!!!」







どれだけ抵抗しても雄大くんに腕を掴まれてしまう。

それを龍や寿、蓮と紫織は泣きそうな顔で見ていて。





段々と英寿くんに近付く。

痛いくらい掴まれた腕は離してくれない。







私は今、きっと情けない顔をしている。









「そういう事や」


「嫌、や…」


「ゆい!!!」


「そんなんいきなり過ぎるやんか!!!」







涙が、出そう。








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