出会った頃は、まだお互い幼かった。

顔だってそうやし、性格も。



随分落ち着いたなぁ、うち等。







「てかお前、怪我大丈夫なんけ?」


「え?」


「事故んときの」


「あぁ、もう全然大丈夫」


「本間ゆいには負けるわ」







そう言って、英寿くんは軽く笑う。


私はそれを横目に、空を見上げた。







「でも、あの事故は英寿くんを守れたっていう誇りやし」


「……………」


「それに英寿くんに勝った記憶なんて、今まで無いわ」


「アホ」









髪をクシャクシャに弄られ、思わず片目を瞑る。

見上げれば彼は怒ったような、照れているような表情をしていて。





睨まれても全然怖くない。







.