「なんやお前、これは」


「すみません」


「ほんでこれを直せと?ふざけてんのか」


「すみません」







黒のダウンを羽織った英寿くんに怒られつつ、とにかく頭を下げる。

溜め息が聞こえ、なんとか許して貰ったけど。




ちなみにここは私の家の庭兼バイク置き場。

小さいけど、そこそこ広さはあって。








「チッ、着替えと道具持ってこい」


「はい」


「後タオル」


「ただいまっ」







一旦汚れてもいい服に着替えて、英寿くんは再びバイクの前に座り込む。

カチャカチャと直す作業が行われ、私はそれを真横で見ていた。



今日も天気良くてよかったな。








「何をどうしたらこうなんねん」


「いやー、あはは」


「アホ」







まさか絵里にやられました、なんて言われへんしね。

そんなん言ったら英寿くんが暴走モードなっちゃう。




内緒が一番。







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