顔を見合わせ、龍は笑う。
私もそんな龍を見て微笑んで。
｢にしても絵里って人にはやられたなー…｣
｢あぁ、アイツね｣
｢俺普通に信じてしまいましたし｣
｢どんまい｣
｢どんまい？！｣
でも、絵里があれだけで引き下がるとは思えない。
自分は変わったとか、ヤバいヤツと知り合いって言ってたから。
ヤバいヤツって、ある意味うちもヤバいヤツやけども。
でも、次は私も容赦しない。
｢紫織はすぐに気付いてくれてんけどなー｣
｢いや、あの、その、｣
｢龍くん鈍感やから｣
｢…それはゆいさんもやん｣
｢何か言った？｣
｢なんでもありません｣
やっぱり龍とは仲良い方がいい。
絵里の悪意のお陰で、っていうのもアレやけど。
師弟の絆は、強まった。
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