ゆっくり立ち上がり、絵里の目の前に立ちはだかる。

そして木刀を手に持ち、腕を上げた。







「きゃっ…!!!」


「ゆいさん!!!何してんすか!!!」







振り下ろす寸前に、絵里を守るように龍が私の前に立つ。

その意味が私には全然分からなくて。








「どけ、龍」


「嫌です」


「コイツがうちに何したか分かるやろ」


「分かります、でも嫌です」


「龍…」


「大丈夫やから」







怖がる絵里は龍に縋りついて。

龍は真っ直ぐに私を見た。








龍、今誰を見てんの?









「友達なんでしょ?」









このバイクがどれだけ大切なものか、










「そんな傷、また直せばいいじゃないっすか」










知ってるやろ?










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