「なぁゆい」






再び呼ばれ、歩く足を止める。

振り向くと妖しい笑みを浮かべたまま、座り込んでいる絵里。







「あたし龍くんの事、好きになってんやー」


「へぇ」


「龍くんも、あたしと同じ気持ちっぽいし」


「………………」


「もし付き合ったら舎弟くん奪ってごめんな」






そう言って、絵里は鼻で笑う。




龍が絵里の事好き?

同じ気持ち?





あり得へんから。








「龍くんがゆいから離れるわけないやん」


「紫織、」


「あ?誰お前」


「お前こそ誰やっつーの」







私を庇うように、切れ気味の紫織が絵里に反論する。

それに対し、絵里も立ち上がり近付いてきて。



ギャル軍団が私達を囲んだ。







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