あからさまに作ったような甘ったるい声。

振り向かなくても誰か分かる。




…なんでここにいるかな。








「えー?無視ー?」


「なんの用?」


「別にゆいに用はないねんけどー」







ほないちいち引き止めんなよ。



絵里率いるギャル軍団は私をクスクス笑いながら見ていて。



あー意味わからん。








「でも、龍くんに用事あるんやけどっ」







あぁ、そう言うこと。







「龍ならもう帰ったで」


「えー、マジで?」


「お疲れ」







そう言って背を向き、歩き始めようとする。





最近コイツ絡んでくるけど。

うちは絡みたくないねんからな。









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