食べ物の趣味は会わなかったケド、音楽の趣味は同じだった。

大好きなバンドの歌を車の中いっぱいに響かせ、歌いながらまた海へ向かって行った。

ビロードに落ちた海岸ぞいを歩いていた。


「悠奈チャンはどこから来たの?」

あたしは答えに困る。

まさか、家出してきたなんて言えないし…

「遠い所かな?」

あたしははぐらかして答えた。


「じゃあ、帰っちゃうの?」


快の質問にまた戸惑う。


「あたしは…」

「ずっといてくれない?ここに…。」


突然の言葉に驚いたけど、何故か素直に受け止められる。


「一緒にいてもいい?」


「一緒にいてよ…」