「いぃょ。」
一夜限りでもいい、今日を凌げればそれでいい。
自分から全てを手放したはずなのに、寂しかった。
今日だけでいいから、誰かにいて欲しかったんだ。
あたしが快に心を開くのに時間はかからなかった。
快の車に乗って海沿いをドライブして、ファミレスでゴハンを食べた。
他愛もない話をいっぱいした。
好きな食べ物、
好きな歌、
好きなドラマ
趣味の話、
コイバナ、
友達の話。
あたしの知らない話が心地好い。
でも、あたしがここにいる理由には一つも手をつけなかった。快も特に聞こうとはしてこなかった。
それが嬉しかった。
「悠奈チャンは何才なの??オレもうすぐ19!!」
快はあたしの1コ下だった。
年下なんて今までは恋愛対象外だったけど、明るい快の笑顔が愛しく思える。
母性本能ってヤツかな?
あたしも大人になったのかな?
「悠奈チャン、ケチャップついてるよ?」
「えッ!?どこッ!?」
快はあたしの唇についたオムライスのケチャップを指ですくい、舐めた。
「ご馳走サマッ!」
あたしの顔は真っ赤で、口はポカンと開いていた。
「カワイイッ」
あたしの顔は更に赤くなった。

