この青空を君へ。

お店はオシャレな外観。個室が多い店内。
・・・いかにも合コン向き。


「ミサトちゃん、こっちー!」
声が聞こえた方を見ると4人の男の子。
どうやら彼らが今日のお相手のようだ。

「お待たせ」と言ったミサトの笑顔はまさに天使の微笑み。営業スマイル。
笑うと本当にかわいいんだよね。


男の子たちの反応から見ても、私たち(っていうか私を除く3人だけど)の容姿は気に入ってもらえたみたい。



・・・でも、いかにも遊んでいそうな4人に私は何となくだけど好感が持てない。



「みんなかわいいね!とりあえず座ってー」
ミサトのことを呼んだ男の子が声をかける。
どうやら彼が男の子たちのまとめ役みたい。


飲み物を頼んでとりあえず自己紹介しようという流れになって、ミサトからはじめることになった。

「ミサトでーす。M大2年・・・趣味は音楽鑑賞かな。今日はよろしくお願いします」
男の子たちの品定めするような視線に気づいているのかいないのか、ミサトはとびっきりの笑顔を見せる。

「梨香です。K女2年、最近は映画見ることにハマってます。よろしく」

「沙織です。梨香と同じK女2年で、ミサトとはバイト仲間なんだよね。」


ぼーっとしてたらミサトに足を蹴られて私はハッと顔を上げた。
「あ、えっと、千春です。M大2年でミサトと一緒で・・・えっと・・・」
慣れてない私は場をしらけさせちゃいけないと思うあまりに余計に混乱して話せなくなってしまった。

「千春は絵がすっごい上手で、この前も県の展覧会に選ばれてたんだよー」
ミサトの助け舟に男の子たちは「へー」なんて愛想だけの返事をしてくれた。



あぁもう、やっぱ初対面は苦手だ。