この青空を君へ。

私は息を大きく吸い込んだ。
夜の空気が私を満たして、落ち着かせる。

「ここで、好きな人を待ってたの」

ミサトが私の方を見た。
続きを話せという合図だろう。


「私が待っている人はね、毎週金曜日、ここで歌っているの。別れた彼女を思いながら。」

また私は大きく息を吸った。

「深い後悔と彼女に会えないかと思う少しの期待・・・彼女の幸せを思う気持ち、私はその気持ち全部を感じた」


ミサトは不安げな顔で私を見ている。


「その人の名前は?」


私はなぜか穏やかな気持ちだった。
ミサトに話せたからかもしれない。


「元樹だよ」


「・・・そっか。私が彼を苦しめてるんだね」


『それは違う』

私と誰かの声が重なった。


そこに立っていたのは元樹だった。