次の日、私は大学に着いてすぐ部室へ向かった。
今の気持ちなら絵を完成させられる気がして、その思いが歩調を速めるように私を追い立てる。
私は描き続けた。
文化祭準備の騒がしい音も聞こえない。
私はあの公園にいるような錯覚の中、筆を走らせるだけ。
急に頬に冷たさを感じて、はっと我に返った私の前には宮田先生がいて、苦笑いを浮かべながら私を見ていた。
あまりにも集中しすぎていて、頬の冷たさの正体がペットボトルのお茶だってことに気づくにも数秒かかってしまった。
「飯くらいは食べろよ」
そう言って先生はコンビニの袋からおにぎりやお弁当やカップ麺を取り出して私の横にある机の上に並べた。
その量に私は思わず笑ってしまう。
「先生、私こんなに食べれないよー」
「何買っていいかわからなかったから・・・」
先生の少し照れたような表情を見て、私はまた笑った。
「先生、ありがとうございます。」
ご飯を食べて、家に帰って少し寝て、そしてまた描いて・・・
絵が完成したのは文化祭前日の金曜日のことだった。
いつもより少し遅くなってしまったけど、絵の完成を元樹に知らせたくて私は公園へと急いだ。
しかし、元樹の姿はなく、秋の虫の声が聞こえるだけ。
(まだ来てないのかな?)
私はいつもの場所に座って元樹を待った。
どんどん時間だけが過ぎていく。
そしてとうとう、その日、元樹は私の前に姿を現すことはなかった。
今の気持ちなら絵を完成させられる気がして、その思いが歩調を速めるように私を追い立てる。
私は描き続けた。
文化祭準備の騒がしい音も聞こえない。
私はあの公園にいるような錯覚の中、筆を走らせるだけ。
急に頬に冷たさを感じて、はっと我に返った私の前には宮田先生がいて、苦笑いを浮かべながら私を見ていた。
あまりにも集中しすぎていて、頬の冷たさの正体がペットボトルのお茶だってことに気づくにも数秒かかってしまった。
「飯くらいは食べろよ」
そう言って先生はコンビニの袋からおにぎりやお弁当やカップ麺を取り出して私の横にある机の上に並べた。
その量に私は思わず笑ってしまう。
「先生、私こんなに食べれないよー」
「何買っていいかわからなかったから・・・」
先生の少し照れたような表情を見て、私はまた笑った。
「先生、ありがとうございます。」
ご飯を食べて、家に帰って少し寝て、そしてまた描いて・・・
絵が完成したのは文化祭前日の金曜日のことだった。
いつもより少し遅くなってしまったけど、絵の完成を元樹に知らせたくて私は公園へと急いだ。
しかし、元樹の姿はなく、秋の虫の声が聞こえるだけ。
(まだ来てないのかな?)
私はいつもの場所に座って元樹を待った。
どんどん時間だけが過ぎていく。
そしてとうとう、その日、元樹は私の前に姿を現すことはなかった。


