この青空を君へ。

「泣いてたの…?誰かにいじめられたのか?」


淋しくて誰かに慰めてもらいたい時… 辛くて誰かの温もりを感じたい時…貴方は必ず現れる。


(貴方はやっぱり、私のヒーローなの…?)



「元樹…。」




子供をあやすみたいに私の頭を撫でてくれた。
私は目を閉じてその温もりを感じる。



「元樹の体温…なぜかすごく落ち着くんだ…」


そう言って目をあけると、元樹は私の頭から手を離し、大きく両手を広げた。まるで翼を広げた鳥のように。



「じゃあ、おいでよ!ほら…。」と元樹は言う。

私は混乱して、
「じゃぁって…な、何をどうするの?」と尋ねた。


「何って…今…ほっとしたいんでしょ?だから…俺の体温貸してあげるから…」

そういって元樹は大きく広げた手で私の体を包み込む。


「ねぇ…一度思いっきり泣いてみたら?すっきりするんじゃない?」