この青空を君へ。

「も、もしもし？」

私の声は緊張で少しうわずる。

「あ、久しぶり。」

電話から聞こえた声はケイのものだった。


「どうして･･･」

「あ、そういやこの前携帯変えたんだった。ごめんごめん。」

なんで何もなかったように話してるんだろう･･･
私は動揺で声と携帯を持つ手が震えていた。

「でさ、今、お前の大学の近くにいるんだけど、会えない？」


私は何も言えなかった。
彼が言っている意味がよく理解できなくて。

アエナイ？
会いたい・・・会いたくない・・・・


「千春～聞いてる？」

彼の言葉にはっとする。


「・・・ちょっと今、忙しいの・・・・」


「あ、そうなんだ。じゃ、いいや。またなー」


そう言って一方的に電話は切られてしまった。


本当にこれでよかったのか・・・
私はわからなかった。

だって、ケイに会いたい気持ちがないっていうのは嘘だから。

少し前まで当たり前のようにいた人。
今は・・・