この青空を君へ。

「じゃあ俺らの番かな」まとめ役の男の子が切り出した。


「悠二です。ミサトちゃんとはサークルの交流会で知り合って、今日飲み会開こうって話になったんで、みんな楽しみましょう!」
悠二と名乗った彼はいかにも合コン慣れしてそうで、かっこいい部類には入るんだろうけど、やっぱなんか好感は持てない。


「智也です。S大3年、あ、俺らみんな一緒なんだけどね。よろしく」
「あ、俺の番か。浩太です。音楽好きだから色々話できたらいいなー」
早くもミサトにアピール・・・当のミサトは営業スマイルで答えてるから本心はわかんないけど。

「亮。よろしく」
最後に話した亮っていうやつはクールな雰囲気を出したいのか愛想笑いもなしだった。
なんか嫌なやつ。



みんなそれぞれに好きな話で盛り上がって、私もミサトに迷惑かけたくないから適当に話合わせて、でも下心が見え見えの男を前に私は来たことを後悔していた。

(やっぱ、男なんて信用できない・・・)


お酒の味も料理の味も全然良くなくて、私の前に座ってる亮はほとんどしゃべんないし・・・


「千春ってさ」
いきなり目の前から声が聞こえてびっくりして声がした方を見る。
「ケイの元カノ?」

・・・ケイ、啓太・・・彼のあだ名だ。

動揺して言葉が出ずにただ亮の方を見た。


「あ、やっぱそうなんだ?写真見たことあったからさ」



元カノ。わかってるけど、胸に刺さって私から言葉を奪った。