T氏の哀愁【学園珍国物語・番外】

今度は自分の番だった。


彼らには、こういう言い回しはすぐに、「わかる」のだ。



「私は別に神田くんがいるからとかで忘れてたわけじゃないよ!」



勢いよく言われ、恋人でありながらそんな言われをした神田に少しだけ同情する。



「…お前のそういう所は美点であり、欠陥だな」



ざっくり神田に言われ、夏奈子は口元を歪めた。


「神田くんのそういう所が欠点だと思うよ、ほんと…」