夏奈子は笑顔を彼に向けた。


「今、帰り?」


まったく癒される。



「ああ。ほんまは、市ヶ谷に課題を教える約束だったんやけど、アイツ急用やゆうてな」



全く生意気なちびっ子だ、と心で毒づく。



「課題…?」


だが、夏奈子が反応を示したのはそこだった。



「明日までやろ。倫理の課題」



「…………!!」