見知った後ろ姿を確認した。


だから、彼はすぐに声をかけた。


「山田さん……」


そして、次の瞬間に後悔する。



「……と、なんや神田も一緒か…」




神田と呼ばれた男は、眉を寄せ、トレードマークの眼鏡を押し上げた。



「何か用か?」



そして完全に、機嫌が悪い。



隣りでぐったりしているのは、山田夏奈子。


彼らのクラス、唯一の女子生徒だ。