次の日。
 心に大きな穴がポッカリと空いた。

 別れてください
 そう言ったのは自分からなのに。

 もう、彼女でも何にでもない。
 ただの同級生に戻るんだ。
 それが寂しくて、寂しくて仕方ない。


 今日は誕生日だっていうのに。



「ゆえ!!学校行きなさい!」


「……嫌」


「ったくアンタは…って…」


 お母さんがあたしの部屋に入ってくる。あたしの泣き腫らした目を見て言葉を無くしている。


「ゆえ……何があったの…」


「……行きたくない」


 今日は頑として行かないつもりでいる。
 絶対に…嶺には会いたくない。

 会ってしまったら、その場で泣き崩れてしまうから。



「………わかったわ…」


 それだけ言うとお母さんは部屋を去った。

 布団に潜り込んで感情を殺す。


 もう…あたしは、嶺の何にでも無い…


 それを思うたび、涙が出る。

 だから考えるな。

 何も、嶺の事も…考えるな…!










 ―ピーンポーン


「………………」

 うちは共働きだから昼間は一人だ。

 居留守しちゃえ。


 ―ピーンポーン


 ―ピーンポーン
 ―ピーンポーン


「…うるさい………」



 あたしは仕方なく起き上がりドアを開けた。


「…親なら居ませんよ――……」

















 また、どうしてが、
 頭を支配する。