ようやく仕事と環境に慣れた頃には冬になってた。

あれから神崎くんとシフトがかぶることもなかったけど、時々、笑った顔を、もう一回見たいなぁ~…なんて、なんとなく思ったりしてた。

『結城さんってカレシいるの』

何度か会って面識が出来ると、仕事の話からプライベートな話に変わる。

『だいぶ前からいないなぁ~』

同じ返事を何回したかなぁ~。

『えぇ絶対いると思ったぁ』

…それ、色んな人に言われてる。

『なかなか好きな人が出来ないし、相手にされないから笑』

過去の恋愛も、自慢できるものじゃなくて、少しトラウマになってたのもあったかもしれない。