「俺は、そのピンクのクマが好きだ」
「そんなの知ってる」
ぶっきらぼうに吐き出される声には、呆れが混じり始めている。
「……で、お前は、何だかそのピンクのクマに似ている気がするんだ。だから、つい、目で追ってたんだと思う」
「はぁ!? 何ソレ」
思った通りの反応を返されて、少し残念だと思う俺は何なんだ?
そもそも、俺の好みを白木に理解して貰おうなんて思ってないんだ。
その反応で十分じゃないか。
さっさと呆れて帰ってくれ!
「そういうことだ。だから別にお前の事が好きだとかどうだとか……」
「ねぇ、ちゃんと俺の目を見て言ってよ!」
遮られて、二の句が継げない。
お前の目を見て話すなんて、無理だ!
「どうして目を反らすの?」
ずい、と近付かれて、俺は必死に顔を背ける。
一回りも年下の、しかも生徒にそんな事を言われるなんて、俺は人としても教師としても失格だ。


