──カラカラ……。
不意に聞こえた扉の開く音に、俺は慌てて携帯を閉じる。
白衣のポケットにそれを突っ込んで振り返ると、そこには……。
「……白木」
時刻は、間もなく17時になろうとしている。
こんな時間にやってくるなんて、何かあったのだろうか。
いや、白木の事だ、また何か妙なことを言ってくるに違いない。
「お前な、こんな時間まで何やってるんだよ」
「追試終わるの待ってたんだよ。先生と話したくて」
照明が点いているとは言え、準備室は薄暗い。
その薄暗い明かりに照らされて、色素の薄い髪に天使の輪が出来ている。
女子も羨むサラサラの髪に隠れている所為で、その表情は伺えない。


