おしゃべりな百合の花


 ベッドの上で、龍一は次第に掛け布団の中へ潜っていく。


 美百合は龍一の優しい行為に、堪らず声を漏らした。


 龍一が美百合の裸体を一巡りし、再び美百合の顔まで戻って来ると、快楽の中で漂う美百合の耳元で囁いた。


「俺とだけは、死んでもやらないんじゃなかった?」


 美百合は顔を真っ赤に染め、そっぽを向いた。


「あんたなんか、大っ嫌い。」


 愛情たっぷりの憎まれ口をたたく美百合に、


「名前で呼んで。」


 龍一が、なおも耳元で甘く囁く。


「りゅう…いち…」


 美百合が吐息混じりに名を呼ぶと、龍一はそっと美百合の中に入った。