「入れば?」
そう、素っ気無く言い、美百合は扉を全開まで開けた。
部屋の中は見事に散らかっており、その場に有る物を手当たり次第に、テレビに向かって投げ付けた形跡がある。
付けっ放しのテレビでは、美百合の父親が卑劣な犯罪者を無罪にしたと、ワイドショーレポーターが大袈裟に報じていた。
部屋の隅で布団に包まって座り、それをじっとりと恨めしそうに眺める美百合に、龍一は胸を締め付けられた。
「こんなもの見るな。」
龍一は、座卓の上のリモコンを手にし、テレビの電源をオフにした。
少し離れて床に座り、龍一は美百合を黙って見守った。
美百合は意地を張って、なかなか龍一と目線を合わせようとしない。
静かに時は流れた。
それでも龍一は、何故か居心地悪くはなかった。
ただ美百合の傍にいられるだけで、安心できた。
こうして見張っていれば、美百合を失わずに済む。
何者かが此処へ侵入したとしても、龍一が美百合を守ることができる。
そう、素っ気無く言い、美百合は扉を全開まで開けた。
部屋の中は見事に散らかっており、その場に有る物を手当たり次第に、テレビに向かって投げ付けた形跡がある。
付けっ放しのテレビでは、美百合の父親が卑劣な犯罪者を無罪にしたと、ワイドショーレポーターが大袈裟に報じていた。
部屋の隅で布団に包まって座り、それをじっとりと恨めしそうに眺める美百合に、龍一は胸を締め付けられた。
「こんなもの見るな。」
龍一は、座卓の上のリモコンを手にし、テレビの電源をオフにした。
少し離れて床に座り、龍一は美百合を黙って見守った。
美百合は意地を張って、なかなか龍一と目線を合わせようとしない。
静かに時は流れた。
それでも龍一は、何故か居心地悪くはなかった。
ただ美百合の傍にいられるだけで、安心できた。
こうして見張っていれば、美百合を失わずに済む。
何者かが此処へ侵入したとしても、龍一が美百合を守ることができる。



