「え?うちらあかねちゃんに許してもらえたし、本当に今度はちゃんとするから!」
「今まで通りでいいじゃない?なんで多田さんのグループにあかねちゃんが入らないといけないの?」
「そうだよ!それとこれとは話が違うよ!」
馬場さんのグループの3人も、黙っていられないという感じであゆに詰め寄った。
「でも、これは馬場さんが決めることでしょ」
けど、そうななっぺが言うと、3人は黙りこくった。
そして今度は、あゆが話し始めた。
「うちら、柚と友達になったんだ。で、馬場さんは柚に相談したんでしょ?相談した時点でもう友達なわけじゃん?だから、柚の友達はうちらの友達ってことで。…ダメかな?」
あゆがそう言った途端、3人の視線が一斉に私に向かってきた。
その視線は、『今私の存在に気付いた』という感じで、驚きに満ちているものだった。
だけど、馬場さんだけは嬉しそうな笑みを私に向けてくれた。
「そうだね。私は杉田さんと友達だね。多田さんの言う通りだよ。私、多田さんと細井さんとも仲良くしたい」
3人の視線なんて、どうでも良かった。
あゆと、ななっぺと、馬場さんの、
私に対しての笑顔がとても優しくて。
きっと、味方がいるって確信した時、人間は強くなれるんだと──
どう反応されても、例え嫌がられても。
…友達の存在って、私を強くさせるんだと──
私はこの時初めてそう思えた。
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