ななっぺはあゆと違って、そんなに大声で誰かを注意したりすることはない。
だからその場にいた人はみんなななっぺの大声に驚いた。
3人も驚いて一瞬下を向いて黙ったけど、少ししたらポツリと小さな声が聞こえてきた。
「…あかねちゃん、ごめんなさい」
一人が謝ると、他の二人もそれに続いた。
「悪いことしたと思ってます。ごめんなさい」
「許してもらえなくても仕方ないことをしました。ごめんなさい」
すると、ななっぺに肩を抱かれていた馬場さんは、鼻をすすりながら顔を上げた。
その目は、やはり泣いた後だったみたいで、真っ赤だった。
「…もう、悪口なんて言わないで」
しゃくりあげそうなのを抑えて言ってるみたいだから、声は小さかったけど、馬場さんは確かにそう言った。
そんな様子を見たあゆは、ほっと安心したような顔をした。
そして、こう言った。
「ねえ馬場さん。うちらと友達になろうよ」
「え…?」
けど、あゆの言葉に反応したのは馬場さんだけじゃなかった。

