引っ込み思案な恋心。-1st






ななっぺはあゆと違って、そんなに大声で誰かを注意したりすることはない。





だからその場にいた人はみんなななっぺの大声に驚いた。





3人も驚いて一瞬下を向いて黙ったけど、少ししたらポツリと小さな声が聞こえてきた。





「…あかねちゃん、ごめんなさい」





一人が謝ると、他の二人もそれに続いた。





「悪いことしたと思ってます。ごめんなさい」



「許してもらえなくても仕方ないことをしました。ごめんなさい」





すると、ななっぺに肩を抱かれていた馬場さんは、鼻をすすりながら顔を上げた。





その目は、やはり泣いた後だったみたいで、真っ赤だった。






「…もう、悪口なんて言わないで」





しゃくりあげそうなのを抑えて言ってるみたいだから、声は小さかったけど、馬場さんは確かにそう言った。






そんな様子を見たあゆは、ほっと安心したような顔をした。





そして、こう言った。






「ねえ馬場さん。うちらと友達になろうよ」



「え…?」





けど、あゆの言葉に反応したのは馬場さんだけじゃなかった。