「そしたら無視されて、いつの間にか私が悪口言ってる感じにされたの。本当に、私は何もしてない」
「つまり、馬場さんはうちらの悪口を言ってたこの3人を止めようと思ったってこと?」
ななっぺが馬場さんに寄り添って、優しく話を聞き出した。
「そう。私、3人からこれ以上無視されたくなくて『悪口はもう言わない』って言ったけど、最初から言ってないから…」
「うん。うちらも3人におどらされてひどいコトしてごめんね。ちゃんと馬場さんの言い分も聞いておくべきだったのに」
「ううん……」
馬場さんはただ首を横に振り続けていた。
よくは見えなかったけど、泣いているように見えた。
その様子を見ていたあゆは、3人に更に詰め寄った。
「で?実際どうなの?馬場さんの言うことが違うって言うなら、話は平行線になるから先生に話に入ってもらおうと思ってるんだけど」
「「「え……?」」」
『先生』という言葉を聞いた瞬間、3人の表情が固まった。
そして3人で顔を見合わせて、そのうちの一人が口を開いた。
「あかねちゃんの言ったことが本当だよ。だから……、先生にだけはチクらないで」
「じゃあ、あんた達がうちらの悪口を言ってたってことを認めるってことでいいんだね?」
「…そうだよ」
それでもあんまり反省の色が見られなかった3人を見かねたななっぺは、馬場さんの肩を抱きながら少し大きな声を出した。
「事の重大さが分かってるんでしょ?ちゃんと馬場さんに謝りなよ!!」

