「……えっと………」
「待ってよ!多田さんと細井さんだってちゃんと聞いたでしょ?あかねちゃんの誓い!!」
馬場さんが話そうとしたら、グループのうちの一人が慌てた様子で馬場さんの話を切った。
けど、あゆは冷静に切り返した。
「うちらは本当のことを知りたいの。このクラスに楽しく学校生活が送れてない人がいたら、助けてあげたい。それが学級委員としての仕事だと思うし、人間として当たり前のことでもあるから」
ななっぺもあゆに続いた。
「そーだよ。人間をおもちゃとして扱うなんてサイテ―な行為はやめなよ。見てて醜いからさ」
すると、みるみるうちに3人の表情が焦った感じに変わっていった。
「な……っ、ちょっと、これじゃあうちらがあかねちゃんいじめてるみたいになってるじゃん」
「あかねちゃんが何言ったか知らないけど、うちらの言うこと信じてよ!」
3人が言い返しても、あゆとななっぺの表情は冷静なまま変わることはなかった。
「あんた達の話は昨日聞いたから。うちらまだ馬場さんの話は又聞きしただけだからさ、確認したいの。ちょっと黙っといて」
「馬場さん、ありのままを話してくれない?」
それまで黙っていた馬場さんの瞳に、少しだけ希望の光が差し込んだ気がした。
「あの、私、悪口なんて言ってない。この3人の悪口を止めようと思って……」
馬場さんの重い口がようやく開いた。
私達は真剣に馬場さんの話を聞いた。

