「あっ、あの3人の中の一人、そういえば私の友達の悪口言いふらしてたとかでトラブってた気がする!」
「え?マジで???」
考え込んでいた多田さんは驚きの表情で細井さんを見た。
「うん、そうだよ。小4ぐらいの時の話だから、ちょっと忘れかけてたけど。あの時ものすごい反省してたのに、もし杉田さんの言ってたことが事実なら、全然性格変わってないじゃん!」
「そーなの?ちょっと事情聞く必要があるよね?」
「うん。そうだとすれば、うちら上手い具合に利用されたわけだし」
多田さんと細井さんは、お互い確信したように深く頷き合った。
そして、二人同時に私の顔を見つめてきた。
「ありがとう、杉田さん。うちら、杉田さんの言葉、信じてみるよ」
二人が私を見つめる顔は、もう全然冷たくなかった。
むしろ、優しい笑みを浮かべていた。
「うん…。信じてくれてありがとう」
「けどさ、勇気いったでしょ?うちら男子にもガンガン突っ込んでいっちゃうし、女子の中でも怖い部類だろうからさ」
私の言葉でニカッと笑った多田さんは、こんなことを言ってきた。
「う、うん……」
「はははっ!正直でいいね〜。私、好きかもしんない」
豪快に笑った多田さんに、細井さんも笑い返した。
「うん。面白くていいよ〜、杉田さん。さっきみたいにさ、ドンドン話し掛けちゃっていいから」
「え…?」
なんか、私、二人に受け入れられてる…?
「「友達になろーよ、うちら」」
二人の言葉に、キョトンとしてしまった。
そんなこと、今まで言われたことあったっけ……?

