背中に冷や汗を感じたところで、瀬川くんの声が聞こえた。
「何かよく分かんねぇけど、ちゃんと説明して?杉田」
その声のした方を見ると、心配そうな表情の瀬川くんがいた。
「こいつらこえーかもしんないけど、しっかりしてるしちゃんと話聞ける奴らだから。な?多田、細井?」
そう瀬川くんに促された多田さんと細井さんは、一瞬身体をビクッとさせたけど、冷たかった表情を少し柔らかくした。
「うん、まあ……。とりあえず教室の外、出よ?男子まで巻き込みそうだし」
最初にそう提案したのは細井さんだった。
多田さんも細井さんに頷いた。
「そーだね。大丈夫、悪い扱いは絶対しないから。もし被害受けたら、先生にチクってもいいから」
そこまで言ってくれるなら……、大丈夫だよね?
ふと瀬川くんの顔を見ると、私を真っ直ぐに見つめて、深く頷いてくれた。
私も軽く頷き返して、多田さんと細井さんの後を追い教室を出た。

