引っ込み思案な恋心。-1st






背中に冷や汗を感じたところで、瀬川くんの声が聞こえた。





「何かよく分かんねぇけど、ちゃんと説明して?杉田」





その声のした方を見ると、心配そうな表情の瀬川くんがいた。





「こいつらこえーかもしんないけど、しっかりしてるしちゃんと話聞ける奴らだから。な?多田、細井?」





そう瀬川くんに促された多田さんと細井さんは、一瞬身体をビクッとさせたけど、冷たかった表情を少し柔らかくした。





「うん、まあ……。とりあえず教室の外、出よ?男子まで巻き込みそうだし」





最初にそう提案したのは細井さんだった。





多田さんも細井さんに頷いた。





「そーだね。大丈夫、悪い扱いは絶対しないから。もし被害受けたら、先生にチクってもいいから」






そこまで言ってくれるなら……、大丈夫だよね?





ふと瀬川くんの顔を見ると、私を真っ直ぐに見つめて、深く頷いてくれた。





私も軽く頷き返して、多田さんと細井さんの後を追い教室を出た。