「あの……」
私が口を開けようとすると、3人は「ん?」と私の話を聞くような態勢に入った。
周りの男子達も「どうした?」という感じで私の方を見ている。
私……、間違っているのかな?
『部外者には関係ない』って言われるのかな?
反応が、怖い。
けど……、言わなかったら、絶対後悔する。
たくさんの視線に、下を向きそうになる。
だけど…
私は両手に拳を作って、それにぐっと力を入れた。
「馬場さんは、多田さんと細井さんの悪口なんて言ってないよ」
いつもは小声しか出ないのに、自分でもびっくりするぐらいの大声が出てきた。
けど、私はそれに臆することなく、3人の顔を見つめ続けた。
「………え?意味分かんないんだけど?」
「てかさ、それ、今の会話と全然関係ないよね?」
しばらく無言が続いて、多田さんと細井さんがその沈黙を割った。
二人の視線が冷たく感じる。
やっぱり……
私から言ったんじゃダメだったのかな?
私は二人の視線に怖さを感じて、目をそらしてしまった。
「なんで杉田さんがそんなこと知ってるわけ?」
多田さんの言葉も冷たく感じる……。
どうしよう……。

