引っ込み思案な恋心。-1st






「うぉ〜、マジ似てる、拓」



「似過ぎだろ〜〜」






私は本を読みながら何となく聞いていただけだったけど、あまりにも盛り上がっていたようなので、ちらりと声のする方を見た。





そこには5、6人の男子が群がっていた。





するとそこに、多田さんと細井さんがやってきた。






「ちょっと男子達!!いくら昼休みだからってうるさ過ぎ!!」





多田さんが腰に手を当てて盛り上がる男子達に注意したけど、男子達はおとなしくなるどころかますます盛り上がる。





「『いくら昼休みだからってうるさ過ぎ!!』………どう?似てる??」





瀬川くんが多田さんと同じように腰に手を当てて、多田さんの言い方を真似する。





すると周りの男子達は大爆笑。





「おもしれ〜!拓、サイコー」



「ものまねで右に出るヤツいねーな、こりゃ」



「ちょっと、私で真似するんじゃないわよ!!」





多田さんは反撃していたけど、男子の声で完全にかき消されていた。






私も騒がしくて本が読めそうになかったから、トイレに行こうと席を立った。





すると……





「おっ、杉田ちょっと、俺のものまね見てってよ」





その様子が見事に瀬川くんの目に留まってしまった……。