「うぉ〜、マジ似てる、拓」
「似過ぎだろ〜〜」
私は本を読みながら何となく聞いていただけだったけど、あまりにも盛り上がっていたようなので、ちらりと声のする方を見た。
そこには5、6人の男子が群がっていた。
するとそこに、多田さんと細井さんがやってきた。
「ちょっと男子達!!いくら昼休みだからってうるさ過ぎ!!」
多田さんが腰に手を当てて盛り上がる男子達に注意したけど、男子達はおとなしくなるどころかますます盛り上がる。
「『いくら昼休みだからってうるさ過ぎ!!』………どう?似てる??」
瀬川くんが多田さんと同じように腰に手を当てて、多田さんの言い方を真似する。
すると周りの男子達は大爆笑。
「おもしれ〜!拓、サイコー」
「ものまねで右に出るヤツいねーな、こりゃ」
「ちょっと、私で真似するんじゃないわよ!!」
多田さんは反撃していたけど、男子の声で完全にかき消されていた。
私も騒がしくて本が読めそうになかったから、トイレに行こうと席を立った。
すると……
「おっ、杉田ちょっと、俺のものまね見てってよ」
その様子が見事に瀬川くんの目に留まってしまった……。

