「しっかしさみぃな〜。こんな中歩いて帰るなんて、ホント大変だよな」
あれから一旦家に戻ってジャンパーを羽織ってきた瀬川くんは、ポケットに手を入れながら歩き始めた。
「慣れれば大丈夫だよ」
「マジで?俺寒いから、いつも朝は猛ダッシュなんだけど」
「え?遅れそうだからじゃなくて?」
「………だいぶ俺のことが分かってきたようだな、杉田」
少し笑った瀬川くんの横顔を見て、張り詰めていた緊張が少しだけ緩んだ気がした。
「…ごめんな。いきなり告ったりなんかして。戸惑うよな、そりゃ」
「ううん。あの…、すごく嬉しかった」
「え?」
「私、初めは友達すらいなかったから。なのに、こんな私のことを好きになってくれて、初めて告白してくれた人が……」
私は瀬川くんの横顔を、真っ直ぐに見つめた。
すると、私の視線に気付いた瀬川くんも私の方を見つめてきた。
「初めて告白してくれた人が、私の好きな人だった。こんな嬉しいことってないと思う」
「え?じゃあもしかして……」
「うん。瀬川くんのことが好き……」
やっと本人に伝わった、私の気持ち。
冬なのに、身体が火照るほど熱い。
ドキドキが、止まってくれない。
「…ホントに?マジで?杉田も俺のことを………やったぁ!!」
「せ、瀬川くん…?」
瀬川くんは歩道のど真ん中で、大きく両手を上げて喜びを全面に表した。
けど、近くの人達がジロジロこっちを見てるのが気になるんだけど……。
「すっげぇ嬉しい……。俺、生きてて良かった…」
「瀬川くん、大げさだよ」
「なあ、じゃあ俺達って付き合うってことだよな!?」
「えっ、う、うん……」

