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「あー、ここだね、瀬川ん家」
「ななっぺ…、本当に今じゃないとダメ?」
「今じゃなかったらいつ言うの?こうなったのは私のせいでもあるし、そこは最後まで責任持たせてよ」
瀬川くんの家の前までたどり着いた。
まだ瀬川くんに返事をする勇気がなかった私が必死で止めるのを抑えるように、ななっぺは家の前のインターフォンを押した。
『…はい』
何秒かして、瀬川くんらしき男の人の声が聞こえてきた。
「あっ、瀬川?私、細井だけど。ちょっと出てきてくれない?」
『は?何で細井が俺ん家に用なんだよ?』
「いや、用があるのは私じゃないよ。私はただ連れてきただけ。だからさぁ、出てきてくれない?」
『しょーがねーなぁ。ちょっと待ってろ』
ちょっとめんどくさそうな瀬川くんの声が切れて、ななっぺは笑顔全開で私に振り向いてきた。
「よーーし!これでオッケー!!じゃあ後頑張ってね♪」
「えっ!?」
い、一緒にいてくれるんじゃないの…!?
そんな心の叫びとは裏腹に、すでにななっぺは10mほど走っていた。
「ゆーーず!明日ちゃんと報告するんだよーっ!!」
「うそぉ!ちょっと待ってよー!!」
けど、ななっぺは私に背を向けて走り出した。
瀬川くんの家の前で、完全に一人、取り残されてしまった……。
その時、玄関のドアが開いた音が聞こえた。

