それを聞いて、あゆも少し心配そうな表情になった。
私はゆっくりと頷いた。
「すぐに返事をしようと思った。けど、ななっぺの顔が頭をよぎっちゃって……」
「そっかあ。ななっぺに気ぃ使っちゃったんだね。でも、そんなことしなくても…」
と、あゆが言っている途中で……
「あっ、多田さん!いたいた!今日、早めに練習しようって、2年の先輩達言ってる!あと10分で始めるって!」
同じ女子バスケ部の子なのかな…?
バスケのユニフォームを着た女の子が、体育館の方からこっちに向かって走ってきた。
「え!?マジ!?ヤバイ!早く着替えないと!!」
「あ、あゆ、もう行っちゃう!?」
「うん!ごめん、もうちょっと話聞きたかったんだけど!二人とも気を付けて帰ってね!じゃあね!」
あゆはその子と全速力で走って体育館の方へと消えていった。
そして、この場には私とななっぺが残ることに…。
「柚、帰ろうか」
「う、うん…」
今まであゆがいたからちょっと安心してたところもあったのに、ななっぺと二人きりになったら、また緊張が走った。
でもななっぺの顔は、思ったより冷たくなかった。
「せっかく告白されたのにさ、応えてあげなきゃもったいないよ」
「ななっぺ…?」
「私のことなんて、気にしなくていいのに。そうやって遠慮してたら、実る恋も実らないよ」
「でも、ななっぺは気にならないの…?」
「気にならないかって言われたら、気になるよ。だって、この前まで好きだった人なんだよ?けど、柚には幸せになってほしいと思う。私の友達だから……」
ななっぺ…
きっと苦しいと思うのに、私ならそんなセリフ、言えないよ……。

