すると、ななっぺが急に私の方を見上げてきた。
その瞳は真っ赤になっていて、涙が流れていた。
「………ごめん。一人にしてくれないかな…?」
「ななっぺ…」
「ホントごめん。みんな出て行ってくれる?」
ななっぺに追い出される形で、私とあかねちゃんとあゆは教室を出た。
「…そうゆうことかぁ。私だけ意味分かんなくてさぁ、ちょっと乗り遅れてたわ。みんな何も言ってくれないんだから」
「ごめんね、あゆ。…つーかさぁ〜、うちら友達なんだし、もっと恋バナとかぶっちゃけてするべきなんだよ」
「そうだね。腹割って話せば、こんなことにはなってなかったかも……」
「柚のことは私にまかせといて!」
「じゃあ、私はななっぺのフォローに回ればいいかな?」
「なんかさー、仲たがいするみたいで気持ち悪いんだけど……」
あかねちゃんとあゆが話し続ける中、私は一人、さっきの出来事を頭の中で再生し続けていた。
…どうしてこんなことになってしまったのか。
あの時、私が勇気を出して教室に入っていれば。
こんな性格が憎くて仕方ないよ…
「これもななっぺが浮上するまでってことよ!ま、時々あかねちゃんと柚の様子も見に行くから。……あ、そろそろ部活戻らないと」
「ごめんねぇー。忘れ物取りに来ただけだったのに…」
「いいよいいよ。むしろ、そんなことがあるって知れて良かった。じゃあまた明日ね」
ななっぺは私の気持ちに気付いていないかもしれない。
けれど瀬川くんと一緒に盗み聞きすることで、絶対傷つけたと思う。

