引っ込み思案な恋心。-1st






すると、ななっぺが急に私の方を見上げてきた。





その瞳は真っ赤になっていて、涙が流れていた。





「………ごめん。一人にしてくれないかな…?」



「ななっぺ…」



「ホントごめん。みんな出て行ってくれる?」





ななっぺに追い出される形で、私とあかねちゃんとあゆは教室を出た。





「…そうゆうことかぁ。私だけ意味分かんなくてさぁ、ちょっと乗り遅れてたわ。みんな何も言ってくれないんだから」



「ごめんね、あゆ。…つーかさぁ〜、うちら友達なんだし、もっと恋バナとかぶっちゃけてするべきなんだよ」



「そうだね。腹割って話せば、こんなことにはなってなかったかも……」



「柚のことは私にまかせといて!」



「じゃあ、私はななっぺのフォローに回ればいいかな?」



「なんかさー、仲たがいするみたいで気持ち悪いんだけど……」





あかねちゃんとあゆが話し続ける中、私は一人、さっきの出来事を頭の中で再生し続けていた。








…どうしてこんなことになってしまったのか。





あの時、私が勇気を出して教室に入っていれば。





こんな性格が憎くて仕方ないよ…








「これもななっぺが浮上するまでってことよ!ま、時々あかねちゃんと柚の様子も見に行くから。……あ、そろそろ部活戻らないと」



「ごめんねぇー。忘れ物取りに来ただけだったのに…」



「いいよいいよ。むしろ、そんなことがあるって知れて良かった。じゃあまた明日ね」






ななっぺは私の気持ちに気付いていないかもしれない。





けれど瀬川くんと一緒に盗み聞きすることで、絶対傷つけたと思う。