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……とは言ったものの、やっぱり教室に入るのが怖い…。
教室の前にたどり着いて、ドアのガラス窓からそっと教室の様子をのぞいた。
教室の中には、ななっぺとあかねちゃんの二人きりしかいないみたいだった。
…かすかに、その会話内容が聞こえてくる。
そのままドアを開けて、笑顔で教室に入ればいいのかもしれない。
でも二人の表情がやけに真剣に見えて、ドアを開けるタイミングを失ってしまった。
「………実際どれくらいの男子から告られてるの?」
「え?たぶんあかねちゃんが思ってるよりは少ないよ。月に一人二人…みたいな」
「それでも多いって!!全部振ってるんでしょ?一人でいーから分けてほしーよ」
「…あかねちゃんこそ、どうなの?」
私はしゃがみこんで、小さなドアの隙間に耳をくっつけた。
……これじゃあ、廊下にいる人から見ると、かなり怪しい人……。
「私なんて全然!!好きな人も、告ってくる男子もいないし。でもさー、ここまで振るってことは、ななっぺにも本命、いるんじゃないのぉ〜?」
「え?私に本命?」
「そーだよ。いつものらりくらりかわされるけどさ、今日こそは教えてもらうからね!」
「いないよ、そんなの…」
「ウソウソ!もう騙されないぞぉ〜〜」
「だって、好きな人いないから断ってるだけだよ?好きでもないのに付き合うなんて、失礼じゃん」
「そういや最近さ〜、妙なウワサがあるんだよねぇー」
「妙なウワサ?」

