引っ込み思案な恋心。-1st









「あかねちゃん、今日はどうする?」





放課後になり、帰りの支度を整えた私はあかねちゃんの席に行った。





すると……





「あ、柚!今日さぁー、例の作戦を決行することになったから!たまたまさっきななっぺに話振ったら、今日は部活休みらしくてOKもらえたんだ♪」



「あ、そうなんだ。…無理はしなくていいからね」



「ま〜、このあかねサマに任しときなさいって!」



「ははは」



「だから先に帰っていーよー。後で電話するー」



「うん。じゃあお願いします。また明日ね」



「うん、じゃーねー」





私はあかねちゃんに手を振って教室を出ようとした。





でも、やっぱり気にならないわけない。





もう一度あかねちゃんの方を振り返ろうとした時、急に肩を叩かれた。





「…え?」



「おう、杉田。また明日なー!」



「あ、うん。またね」





少しドキッとしてしまった。





10月で席替えをしてから、ほとんど会話をしていないけど、毎日の挨拶だけは欠かさずしてくれる瀬川くん。





…今日は肩を叩いてくれた。





あかねちゃんの方を振り返ろうかと思ったけど、去りゆく瀬川くんの背中を見ていたくて、私はそのまま教室を出て靴箱に向かった。










「おう、拓!今日お前ん家行っていい?」



「おっ、ゲームすっか、マサ。俺ぜってー負けねーからな♪」





靴箱に行くと、瀬川くんと倉本くんの楽しそうな会話が聞こえてきた。





これもいつもの光景だけど、男子同士で話していたら、ついほのぼのとしてしまう私がいる。








「あ、柚!」





そのまま瀬川くんと倉本くんが靴を履き替えて帰っていく様子を眺めていたら、後ろから声をかけられた。





振り返ると、そこには今から自分のクラスの靴箱に行こうとしていた映美佳が立っていた。