―――――
――
「柚、ごめんね〜。ななっぺさぁ、なかなか口が堅くて…」
「焦らなくていいよ。本当は私が聞くべきなんだから…」
「そんなこと言わないの!!」
11月に入り、月イチ恒例の席替えが行われた。
私もななっぺも瀬川くんもバラバラの席になったけど、それでもななっぺと瀬川くんの距離感は近いまま変わらないみたいだった。
少し開いていた窓から、冷たい風が吹き込んでくる。
窓際の前から2番目に座っていた私は、席を立って窓を閉めた。
それまで立ったまま話していたあかねちゃんは、ちょうど私の前の席の人が席を外しているのを確認して、その席に座った。
私に振り返る形で、すでに冬服の黒いセーラー服のあかねちゃんがまた話し始めた。
「あ〜…、まーーたななっぺと瀬川、しゃべってるね〜。あっ、あゆだ」
あかねちゃんの声に反応した私は、あかねちゃんの見ていた方向を一緒に見つめた。
教室の後ろの方で楽しそうに話していたななっぺと瀬川くんの間に、あゆが話し掛けてきたところのようだった。
「…あゆは、私の気持ち、知ってるのかな…?」

