「柚!今日、一緒に帰ろーよー」
「え?」
二人の声を聞きながら小さくため息をついていると、後ろからあかねちゃんの声が聞こえてきた。
振り返ると、楽しそうに私に手を振ってくるあかねちゃんがいた。
「ちょっと大きな声では言えないけどさぁ、うちの近くに駄菓子屋さんがあるんだ。寄り道しよーよ♪」
「駄菓子屋さん…?」
「うん。柚、そーゆーの嫌い?」
「ううん。そんなことないよ?」
ただ、そんな気分じゃないんだけど……
「てかさ〜、拒否っても強引に連れていく!決定ねー♪」
「えー?そうなの??」
あかねちゃんはとても楽しそうな表情をしていた。
私は何となく一人になりたかったんだけど、少し戸惑いながらも結局あかねちゃんを断ることが出来なかった。
「おう、杉田。じゃあなー」
「うん、またね…」
放課後になると、相変わらず瀬川くんは私に挨拶をしてから教室を出ていく。
けど、最近は本当に朝と帰りの挨拶しか言葉を交わしていなかった。
席が遠いから仕方ないけど……
やっぱり少し寂しい。
「柚!強制連行だよー。帰ろーぜぃ♪」
「あかねちゃん?……って、あっ!!」
何となく瀬川くんに対する切ない思いがこみ上げてきて浸っていたら、急にあかねちゃんに腕を引っ張られた。
「ほら、早くぅ!行くよ〜」
「痛いって、あかねちゃん!!」
あかねちゃんがあまりにも強い力で引っ張ってくるもんだから、私は少々引きずられる形になって他の下校する生徒たちにジロジロ見られてしまった。
恥ずかしくて仕方なかったんだけど、あかねちゃんは校門を出るまで手を離してくれなかった。

