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けど。
ななっぺに本当のことを聞くためには、私も本当のことを言わないといけないわけで。
私は、瀬川くんのことが好きだと、ななっぺにちゃんと声に出して告げることをためらっていた。
怖くないわけ、ない。
このことがきっかけで、ケンカになるかもしれない。
もしかしたら、また一人に戻るかもしれない。
映美佳はああ言ってくれたけど、一度私を受け入れてくれた人達をそう簡単に切り捨てることなんて、私にはできなかった。
「はははっ!マジで?面白ーーい♪」
「だろ?やべーぐらい面白かったし」
気付けば、10月も下旬。
いつの間にか瀬川くんとななっぺの隣の席同士のコンビは、クラスの中でも有名になっていた。
中には、『瀬川と細井、付き合ってるんじゃねぇ?』とか噂している男子もいたっけ。
それだけ、二人の仲がとても良いということ。
今日も大声で楽しそうにしゃべる二人の声が、後ろから聞こえてくる。
何の話をしてるんだろう…?
何が面白かったんだろう…?
私も話の中に入れたらいいのに。
けど、臆病な私にそんなこと、できるわけない。

