いや、そのドキドキではないんだけど…
明らかに緊張でドキドキしてると思われてる……。
瀬川くんの言葉にちょっと戸惑っていたら、瀬川くんはニッコリと私に微笑みかけてくれた。
あ……
また、鼓動が速くなった。
「大丈夫だって。俺らが言ったことを思い出してちゃんとやればいいから」
私……、こんなに瀬川くんのこと、好きだったっけ?
確かに好きだって気付いたけど、こんなに大きな想いだったかな?
瀬川くんのやること言うこと全てに、こんなにドキドキが止まらないでいる。
「うん、ありがとう」
…それしか言うことができなかった。
ドキドキを抑えるのに必死で、何も言葉が出てこなかった。
瀬川くんが見てる。
…頑張らなきゃ。
私は瀬川くんに見送られながら、入場門へ向かった。
そして、プログラム8番。
障害物競争。
私は前に並んでいる人に続いて、音楽と共に入場門をくぐった。
隣に並ぶ、一緒の組で走る人をチラッと見た。
さっきの徒競争と同じで、各クラス一人ずつ、5人が一緒に走ることとなる。
…みんな、いかにも速そう。
いや、何かこういう時って、一緒に走る人は速く見えるものだって聞くけど、私自身が元々遅いから、本当に速いんだろうな…って思ってしまう。
最初は男子から走るから、そんなにすぐには順番が回ってこない。
そっと自分のクラスの応援テントを見ると、あゆ、ななっぺ、あかねちゃんの3人が真ん前を独占して、クラスの他の障害物競争のメンバーを応援していた。
…瀬川くんは、いつもつるんでいる倉本くん達とテントの奥の方で障害物競争のレースを見守っているようだった。

