引っ込み思案な恋心。-1st






そっか。



同じ小学校なら、何となく誰が速いとか分かるもんね。





「あ、ほらほら。次走るよ!」





ななっぺに促されてトラックのスタートラインを見ると、一番先頭の列に屈伸をしている瀬川くんを見つけた。





私達と同じように、赤いハチマキを巻いているけど、瀬川くんの場合、その赤が気合いを表しているように見えた。









パン!!





空砲が鳴って、一斉に瀬川くん達の組が走り出した。





男子の走る距離は、トラックの4分の3。





「瀬川ーー!行け行け!!」





隣のななっぺは、右手を挙げながら大きな声を瀬川くんに送っていた。





私ももちろん応援している。





………心の中で。





ななっぺみたいに大声出して応援なんて、何だか恥ずかしくてできない。








瀬川くんは序盤ですでに他の4人を頭一つ分ぐらい離していた。





しかも中盤に行くにつれて、瀬川くんの走る勢いはぐんぐん増し、あっという間にトップを独走していた。






「……すごい…」





声に出すつもりなんかなかったのに、思わず口に出してしまうほど、瀬川くんの勢いはすさまじかった。





「やった!トップだよ!このまま独走〜〜!!瀬川ーー!」





隣で応援を続けるななっぺも、更に気合いが入っていた。








…やっぱり、瀬川くんの走る姿はカッコ良くて見とれてしまう。





思わず男子なんだなって再確認してしまうくらい、大きなストライドと真剣な表情。





ドキドキが止まらなくなりそう。