「あかねちゃん、体育祭すごく楽しみにしてたもんね」
私がそう返すと、ななっぺは私の背中を優しく押しながら応援テントの更に中の方へ歩を進めた。
「私は少し憂鬱だなぁ」
「……まだむかでで上手く走れないの?」
「そう。倉本がいまだに足引っ張っててさ。正直、全校生徒の前で恥をさらしたくないんだけど」
「昼休みも使って一生懸命練習してたのにね…」
チラッとテントの中の倉本くんを見ると、徒競争の選手でテントを出ようとしていた瀬川くんを笑顔で見送っているところだった。
…そっか。
瀬川くんももうすぐ走るんだっけ。
また、瀬川くんの真剣な表情が見れるかと思っただけで、私の胸は少し高鳴った。
そして、プログラム3番、徒競争。
徒競争の選手がグラウンドに入場してきた。
私はななっぺと、クラスのテントからその様子を見守った。
まずは男子から。
クラス対抗だから、1クラス一人ずつの5人で争う。
瀬川くんは……、5番目に走るのか。
すると、隣からななっぺの声が聞こえてきた。
「瀬川、5番目だね。まああのメンバーなら余裕で1位取ってくるなぁ」
「え?メンバー見ただけで順位分かるの?」
「…うん。だいたいね。瀬川の組のメンバー、全員Y小だから」

