放課後の練習の時間が終わって、私とあかねちゃんは早速、むかでのチームと別れたばかりのななっぺに駆け寄った。
「ななっぺ、お疲れー」
あかねちゃんがななっぺに話しかけると、ななっぺも私達の存在に気付いた。
「あ、お疲れ」
「どーよ、ななっぺ?ちょっと見てたんだけどさー、倉本マジで合わせる気ないよねー」
するとななっぺは、さっき瀬川くんに愚痴っていたのと同じ、少し怖い表情になった。
「あれマジであり得ないよね?普通こんだけ練習したら、ちょっとはマシになるもんじゃない?」
やっぱり愚痴ってる………。
「ここはコケないように、ゆっくり合わせるしかないよね〜。でもさー、ななっぺ他に何かあったの?」
「え?他にって?」
さすがあかねちゃん。
まだ続きそうに見えた愚痴を上手く切って話題を変える技は、本当にすごいと感心してしまった。
「さっき柚とも話してたんだけど、今日ずっとイライラしてなかった?むかでだけでこんなイライラするのもおかしいんじゃないかと思ってさぁ」
「ああ、そだね…」
ななっぺが一瞬私を見てきた気がした。
けど、すぐにその視線がそらされた。
「ははっ。カルシウム不足かも。今日、毎朝飲んでる牛乳がたまたま切れててさ、飲まずに来ちゃったから」
「「え!?」」
まさか…。
ホントにそんな理由!?
ななっぺのそれまでの難しい表情が消えて、いつもの優しい笑みが戻った。
「あかねちゃんも柚も心配してくれてたんだね。ごめんね、迷惑かけちゃって。もしかしてあゆも気付いてるかな?今日はあゆと一緒に帰ろうかな」
あ……
いつものななっぺだ。
でも逆に、すぐにいつものななっぺに戻ったのが不自然に見えた。
ななっぺ、何かおかしい。
もしかして、私達には言えない悩みを抱えてるの……?

