引っ込み思案な恋心。-1st











「…え?ななっぺ?フツーじゃなかったかな〜?いや、ちょっとイライラしてたか」






放課後。



いつも通り私は障害物競争の練習をしていた。





今日はあかねちゃんが付きっきりで私の練習を見てくれている。





練習の合間にあかねちゃんにななっぺの様子を聞いてみたら、そんな答えが返ってきた。





「今日、ななっぺと話した?」



「うーーん。話したよ?でもいつもよりは話してないかも。……柚は?」



「私は瀬川くんを介して話してたけど、直接は……」



「そっかー。瀬川と柚とななっぺ、席が近いもんね〜。なんか珍しいよねぇ。人当たりが良いななっぺがイライラしてるなんて」



「うん。だからちょっと気になって」






あかねちゃんと同時に、むかでの練習をしているななっぺの方を見た。





やっぱりななっぺのチームは足並みが揃わなくて、何度もコケそうになっていた。






「…あれじゃーイライラするのも分かるなぁ〜。倉本、全然合わせる気ないでしょー」



「うん。ななっぺもそれ愚痴ってた」



「けど確かにそれだけじゃあ、一日中イラつく理由にはならないよね〜」



「うん……」






今度はあゆの方を見やると、あゆは真剣な顔でバトンの受け渡しの練習をしているようだった。





もちろんその近くには瀬川くんもいて、色々なバトンの渡し方を試しているようだった。






「よーし!これはななっぺに聞いてみるしかないね!」





急にあかねちゃんはニッコリと私の顔を見てきた。





「え?直接聞くの?」



「うん。友達だもん。一人じゃ解決しないことでも、二人三人なら解決するかもよぉ?」



「うん。…そうだね」







そうだよ。



友達なんだから、直接聞けばいい。





…私、ななっぺの顔があまりに怖くて、またちょっと臆病になってた。