「…え?ななっぺ?フツーじゃなかったかな〜?いや、ちょっとイライラしてたか」
放課後。
いつも通り私は障害物競争の練習をしていた。
今日はあかねちゃんが付きっきりで私の練習を見てくれている。
練習の合間にあかねちゃんにななっぺの様子を聞いてみたら、そんな答えが返ってきた。
「今日、ななっぺと話した?」
「うーーん。話したよ?でもいつもよりは話してないかも。……柚は?」
「私は瀬川くんを介して話してたけど、直接は……」
「そっかー。瀬川と柚とななっぺ、席が近いもんね〜。なんか珍しいよねぇ。人当たりが良いななっぺがイライラしてるなんて」
「うん。だからちょっと気になって」
あかねちゃんと同時に、むかでの練習をしているななっぺの方を見た。
やっぱりななっぺのチームは足並みが揃わなくて、何度もコケそうになっていた。
「…あれじゃーイライラするのも分かるなぁ〜。倉本、全然合わせる気ないでしょー」
「うん。ななっぺもそれ愚痴ってた」
「けど確かにそれだけじゃあ、一日中イラつく理由にはならないよね〜」
「うん……」
今度はあゆの方を見やると、あゆは真剣な顔でバトンの受け渡しの練習をしているようだった。
もちろんその近くには瀬川くんもいて、色々なバトンの渡し方を試しているようだった。
「よーし!これはななっぺに聞いてみるしかないね!」
急にあかねちゃんはニッコリと私の顔を見てきた。
「え?直接聞くの?」
「うん。友達だもん。一人じゃ解決しないことでも、二人三人なら解決するかもよぉ?」
「うん。…そうだね」
そうだよ。
友達なんだから、直接聞けばいい。
…私、ななっぺの顔があまりに怖くて、またちょっと臆病になってた。

