柔らかな、温かい風が、ポニーテールにした私の長い髪をなでる。






着慣れない、新しい黒いセーラー服。






これから通学路になる道に沿うように、桜の花が綺麗に咲き誇る。










「…やっと着いた」





1キロ超の道のりをひたすら歩いて、私はようやく目的の地にたどり着いた。






今日から私は中学1年生。










『平成○○年度 入学式』




と書かれた看板が飾ってある校門をくぐり、私はすでに人だかりができている場所へ向かった。





そこでは先生らしき何人かの大人の人達が、クラス割の名簿を配っていた。