「さて…お前は食べても足しにはならんもんね…このまま撫でていてもかまわんのだけど」
『食べる』という単語にキツネは一瞬ビクッと跳ねたが撫でる手が変わらず動いてくれている事ですぐに落ち着き始めた。
このカミヤという男の中で基本の考え方に『因果応報』という言葉がある。
要するに自分や他者にとって良い行いをしていれば良い結果や運がもたらされ、逆をすればそれまた然りということなのだがカミヤはそれを自分流に解釈していた。
『自分にとって良い事でも他人にとってそれがどうなのかは相手にしか解らない、なら自分が正しいと思った事は迷わずにしよう』
元々見た目や人種、相手の趣味などに殆どこだわらない性格の為、変に制約させるよりはこの方が都合がよかったのだ。

