「ゴブ!?……。」
女の子に夢中だったのか、はたまた自分が攻撃される事など予想してなかったのか、とにもかくにもまともに飛び蹴りを喰らった少年は叫ぶ間もなく吹っ飛んで行った。
「あ…ぁ…え?」
眼を瞑ってしまったのか、事態を把握出来ていないツインテールの女の子はただ茫然としている。
「あー……あ、大丈…あ゙痛!?」
「この大馬鹿ぁあああああ!!!!」
声を掛けようとした瞬間、追いついたラックにより脳天から衝撃が突き抜ける。
「速く逃げるんだよ!!あんたも!!!」
「っつ~…うわ!!?」
頭を埋めたまま悶絶するカミヤを無理矢理掴むと、ラックはそのまま寮へと走り去って行った。
残された女の子も二人と倒れた少年を交互に見ていたが、遠目で人が近づいて来るのに気付くと慌てて自分も逃げるのだった。

